その朱色のゆらめきの行き交いを眺めているうちに、夜もすっかり明け、いつしか周囲は、早朝独特の薄白い光と空気に包まれていた。

最後の喜捨を受け取った托鉢の列から、僧の一人が前に進み出て、お経を唱えはじめた。

合掌したまま聴き入る女性たち。

物施は在家の修行、法施は出家者の修行。
ラオスでは、「布施」という行為の本来の精神がまだまだ生きていると感じた。

久しぶりに早起きしたという爽快感も手伝って、清々しい気分で朝を迎えることができた。そして、今夜はお祭りがあるという。よい1日になりそうだ。