目が覚めて時計を見ると、午後3時を回っていた。ビアラオによるほろ酔いに、旅疲れも重なって、昼食をすませたあと、ホテルに戻って昼寝をしていたのだ。

ベッドから起き上がり、テラスに出てみる。
目を瞠った。おー、さっきよりも青空の面積が広がっている。この晴れ具合からすると、もしかしたら夕方には快晴になるかも。ひょっとしたら、メコンに沈む夕陽を拝めるかもしれない・・・。到着時にしぼんでしまった希望が再び花開こうとしていた。

日暮れまで少し時間があるので、どこかに行ってみようか。とはいっても、ビエンチャンは首都とはいえ本当に小さな街。名所といえば、タートルアンという黄金寺院と、パトゥーサイと呼ばれる凱旋門くらいのもの。ベッドの上でガイドブックを広げてみる。ろくに下調べもしてこなかったので、このとき初めて、パトゥーサイが街中からやや離れた場所にあることを知った。タートルアンは、それよりさらに遠くにあるじゃないか。散歩がてらぶらぶら回れると思っていたのだが、それは無理なようだ。それじゃあ、とりあえずバトゥーサイだけでいいや。

宿を出ると、通りに停まっていたトゥクトゥク(乗り合いのオート三輪)のオジサンに声をかけた。