夕食をすませると、土手をしばらく歩いてみることに。

目の前には、漆黒へと姿を変えたメコンがあった。
その表面を、ネオンきらめく船が何艘か、ゆらゆらと浮かんでいる。タートルアンのネオン、ビアラオのネオン、今日訪れたパトゥーサイのネオンも輝いている。

土手と平行に走る通りへと降りてみる。人、人、人でいっぱいだ。警察か軍かわからないが、荷物チェックまでやっている。日中から不思議に思っていたけれど、いくらなんでも、この賑わいと警備体制は尋常じゃない。お祭り前夜のような期待と興奮が渦巻いているのだ。きっと特別な行事が近々あるに違いない。でも、それが何なのかはよくわからない。一体、何があるのだろう。

ラオスでの最初の夜は、初めて飲んだビアラオによるほろ酔いと、謎めいた賑わいによる不思議な興奮に包まれながら、ゆるゆると、心地よく更けていく。