文字通り目の覚めるような朱の衣をまとい、布施を受け取った僧が次々と目の前を通り過ぎ、去っていく。かと思えば、遠くからまた別の托鉢の列が音もなくこちらに近づいてくる。その繰り返しを、片隅で眺めていた。
同じ仏教国でありながら、日本では目にすることができない光景と色彩は、新鮮な中にも懐かしさをはらんだ不思議な感情をもたらす。