どのような祈りが運ばれていくのか。
どのような願いがこの灯に宿っているのか。
なにもわからぬままに、彼の地へと送り出された灯籠を、ただ沈黙のまま見送った。
運良くこのような熱気と興奮あふれるお祭りに巡り会えた。
旅の神様へのその感謝の念いだけを、いっしょに乗せてもらうことにして。

雨期の終わり。半端とも思える季節にラオスを訪れる機会を得たのは、偶然ではなかったのだ。

ラオス到着当日、晴れない気分でいたなか、ビエンチャンの凱旋門で青空に浮かぶ仏様と出会ったときに湧いてきた確信のようなものが、この夜、この瞬間、ますます深く、強くなった。