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午前9時半。
ハノイを飛び立った飛行機は、ほどなくラオスの首都ビエンチャンに到着した。
タラップに立つ。機上から見下ろしていた雲海が、今は上空を覆い尽くしている。
初めてのラオス。「夕陽を見ながらビアラオ」を大きな楽しみのひとつとして訪れたというのに、こんなにさえない天気だとは。雨期の終わりという微妙な時期だからだろうか。多少覚悟はしていたのだが、いざこうして曇り空と対面してしまうと、無理してでも休みを数週間ずらせばよかったと後悔の念が込みあげてきた。
手頃な宿にチェックイン。帰国便のリコンファームをすませ、明日のルアンパバーン行き航空券を購入。懸案事項は片付けた。が、見上げれば、ほんのちょっぴり晴れ間がのぞき始めたものの、依然としてパッとしない天気。数少ない見所を回ってみようかという気も起こらない。
とりあえずは、腹ごしらえだ。宿の近くの食堂へ。
焼きそばと、念願の「ビアラオ」を頼む。
店の前を走る舗装道の向こうはメコン川の土手らしいのだが、道に沿って出店がびっしりと並んでいるので、肝心の川はまだ見えない。目の前では、人々やバイクがひっきりなしに行き交う。それにしても、やけに賑わっている。もっと静かでひっそりとした町だとイメージしていたのだが。
思いもかけないこの賑わいぶり。何かがあるのだろうか。 |
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