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そろそろ街に戻るとしようか。
夜景から無理矢理目を離し、きびすを返した。

ふと正面を見ると、東の小山の上に、何かがぽっかりと浮かんでいた。明るくて丸い物体。間違いなく、それは満月だった。

月は東に、日は西に。

劇的な夕日と素敵な満月に見送られて、旅を終え、帰国の途につく。

フィナーレは、思い描いていた以上のできばえだった。悪くない。

ひとり納得しながら、フィレンツェ市街に戻るバスに向かって、薄暗い広場を歩き出した。





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