 |
車はスーラを離れていく。奇っ怪な岩山がみるみる遠ざかっていく。
次の目的地は、シバームとコーカバンである。
荒野が続いている。どこか物足りない気持ちを抱えつつ車窓の流れに身をまかせていると、目の前を延びる道路の脇に、何やら人の集まりが見えてきた。演奏のリズムが耳に飛び込んでくる。
「あそこでジャンビーアダンスをやってますね」
ハーディーさんが、堪能な日本語で続ける。
「見たいですか?」
「もちろん」
車を降りると、さっそく広場に入り、踊りの輪に加わらせてもらった。加わるといっても、ぼくが持っているのはジャンビーアではなく一眼レフ。でも参列者はみなぼくを快く迎え入れてくれ、撮りやすい位置にまで連れていってくれる。その暖かい気配りに恐縮の意を表しつつ、輪の中に入り込んでみた。
|
|
ジャンビーアの舞い: 8/15  |
|