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あの岩山とこの絶壁の間で、この雄大な空の下で、ジャンビーアの舞いが繰り広げられていた。つい数時間前、たしかに自分はあの大地のどこかで、その光景と出会った。偶然か、はたまた必然か。どっちにせよ、旅とは出会いとタイミングの妙の重なりと言えるのかもしれない。

昨日ツアーを決めたのも、ジャンビーアダンスに出会えたのも、そのときの気持ちとタイミングが一致したから。自分の意志であろうが、人に導かれようが、すべてのアクションは自分の心で決まっていく、あとは運とタイミングがついてくるかどうか。それは神のみぞ知る。

サナアに戻り、あと数泊したら、いよいよ南へと下ってみようか。居心地のよいサナアを離れるのは寂しいし、ちょっぴり不安でもあるけれど、海にぶつかるまで南へ下る、というのがぼくの決断。そこに何があり、何が起き、何を感じるかはインシャアッラーだけど、きっといい出会いが待っているに違いない。目の前の壮観は、そんな予感をぼくの心に満たしつつあった。
ジャンビーアの舞い: 15/15