吊り橋に戻ると、男たちに代わって女たちが洗濯がてら水浴びをしていた。雨期の終わりの穏やかな水面に、1日の終わりを告げるオレンジ色の光が投げかけられ、きらきらと輝いている。初日のビエンチャンでこそ眺めることができたものの、ルアンパバーンでは一度もお目にかかれなかった夕日が、その延長線上に浮かんでいた。

旅の最後は、再びビエンチャンでメコンを眺めながら夕日とビアラオを存分に浴びたい。この悦楽にもう一度浸って短いラオスの旅を締めよう。半日前まではそう決めていた。が、今はその決断が揺らいでいた。決断に従うとなれば、明日の朝ここを発ち、ビエンチャンに向かわなければならないからだ。バンビエンの穏やかな風景の中にもっと浸っていたい。そんな気持ちがどんどん強くなっているのを感じていたからだ。どこかへと延びているはずのあの砂利道。あの道をたどってみたくなっていた。それに、ソン川に沈むあの夕日だって、メコンに沈む夕日に負けず劣らず魅力的ではないか。

明日もバンビエンですごそう。