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町に戻り、カフェで一休み。ボリュームたっぷりのチキンサンドで胃を満たすと、再びペダルをこぎ出した。もう少し遠出してみよう。
午前中と同じ道を南へと走り出したが、今度は途中で右に折れてみる。昨日も通った、吊り橋に至る小道だ。ソン川にかかるその橋を渡りきると、懐かしい空気と景色に身体をさらすように、砂利道の上を走る。
後ろからガタガタと大きい音を響かせながら何かが迫ってくる。
脇によけると、トラクターが追い抜いていく。
荷台に大勢の人を乗せている。乗り合いトラクターとでも呼べばいいのか。
その音と土煙をやり過ごし、ペダルを踏み込もうとすると、今度は牛に進路をふさがれてしまった。牛かあー。のどかな割には、いろいろなものにじゃまされるような気もするが、こんな邪魔なら、まったく悪くない。
砂利道は、まっすぐまっすぐ、どこまでも、どこかへと続いている。
いつの間に姿を現したのだろうか、まっすぐな道の上には、東南アジアの太陽の強烈な輝きがあった。
水をごくごく飲むと、踏み込む足に力を入れた。
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