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バスを降りたとたん、風を感じた。
やや強いけれど、心地よい海風。
エッサウィラのメディナへと歩く間も、海風は止むことなく全身を吹き抜けていく。

その風を感じながら、メディナの入口にたどり着いた。薄暗いドゥカラ門をくぐり抜ける。
突然のまぶしさに細めた目を再び開くと、目の前には別世界のメディナが広がっていた。
一直線に延びる道。ジュラバ姿の人々。白い家並み。雑貨、食料、屋台……。
まるでタイムトンネルを通って異次元の世界に放り出されたような、不思議な気持ち。

同じメディナでも、ここはマラケシュのそれとは雰囲気がまったく違っていた。どこか静かで、穏やかで、ゆるい雰囲気が支配している。そして、ここにも吹き抜ける潮風。
一歩足を踏み込んだ瞬間、この街が好きになった。

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