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車窓の風景に変化が生じていた。
赤い壁の家々に代わって、今度は白い家が現れるようになった。
赤から白へ。その変化は、いよいよ大西洋が近づいてきたことを暗示していた。
さらに進むと、これまで広がっていた黄緑の草原が消え去り、深緑の低木が左右を覆い始めた。
オリーブのようにも見えるが、これがアルガンの木かもしれない。
アルガンはモロッコの南西部に見られ、この木から採れるオイルは希少であることで有名である。
そのアルガンらしき木々で覆われた丘陵地帯を越えると、突然、前方に平野が出現した。
その向こうに海が見える。海岸に沿って、白い家並みが寝そべるように広がっている。
初めて目にしたエッサウィラは、予想より大きく、そして白くこの目に映った。
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