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日の沈む国モロッコのエッサウィラを起点として、哀愁の白い街を巡りながらサウダーデの国ポルトガルを目指すという旅はどうだろう。そんなプランが形を持って頭の中に現れてきたのである。ここ数年、マグレブとヨーロッパという組み合わせで二度旅をしているので、その第三弾としても、このルートはうってつけなのではないか……。そう考えたとき、もう迷いは消えていた。

そしていま、まさしくその白い街にいる。
いまだに不思議な、信じられない気分だ。

海の門を抜けると、そこは港。
モロッコではなく、南欧のどこかの漁港にいるかのような錯覚を覚える。

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