HOME > TRAVELS > MOROCCO >  
しばらく話を続けていると、さらに1人、日本人の女性が現れた。Yさんの相棒のKさんである。彼女もエッサウィラに魅せられ、住み着いてしまった一人だという。エッサウィラ在住の日本人は、組織・団体関係をのぞけば、YさんとKさんの二人だけだという。その貴重な二人から、ここでの生活事情をいろいろ聞く。

二人は現在、花屋を開こうと準備を進めている。が、その作業がぜんぜんはかどらずストレスがたまっているという。イスラムの国モロッコにおいて、女性、しかも外国人がアクションを起こそうとするときに、目の前に立ちはだかる壁。言語や習慣、その背景にある宗教の違い。そうした障壁に、真正面からぶつかっているという。
「なんだか開店にこぎつける前に全エネルギーを使い果たしてしまいそう」
二人とも参ったといった表情でそう語る。だからといって、あきらめる気はさらさらないようだ。意地もあるのだろう。なにより、エッサウィラという街への惚れ込みようが見て取れた。
「こんな苦労話ばかりでも何だから、外を歩きませんか? もう夕方だし、夕陽がよく見える場所に案内しますよ」
Essaouira: 8/10