HOME > TRAVELS > PORTUGAL >  

再び城門を通り抜けて、村の中へ。犬くんとお別れして、反対側の南端へ向かう。
廃墟となっている城跡に登り、日の入りを待った。あいにくの曇り空。

西空低く、雲間から、ほんの一瞬、オレンジの夕陽が丘に射し込んだ。
それが過ぎると、不気味なほどの沈黙に包まれはじめた。

上空を飛ぶ鳥のさえずり。
吹き抜ける風のざわめき。

それらがすべて止んだそのとき、あの音がかすかに聞こえたような気がした。

夜のとばりが下りようとしていた。

Monsaraz: 11/18