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クトゥビアを背に、並木道を数百メートル歩くと、懐かしのフナ広場に出た。名物のオレンジジューススタンドが輪になって並んでいるが、その前を行き交う人の数はまだ少ない。この広場が本来の賑わいを見せるのは、夕暮れになってからだ。
開けた空を見上げる。雲ひとつない快晴。照りつける光はさすがに強いが、心地よく吹き渡る風のおかげで、暑さはさほど感じない。Tシャツ一枚では肌寒いくらいの、歩き回るにはほどよい気候。3年前に訪れたときの、あの肌をチクチクと刺すほどの熱暑とはえらい違いだ。
フナ広場を右に折れる。その先には、安宿が密集する一画がある。入口の路地をちょっと進んだところに、目星をつけておいたホテルのひとつを見つけた。フロントにたずねてみたところ、空き部屋はあるという。念のため部屋を見せてもらってから、ここに泊まることに決めた。他の宿を見てからでもよかったのだが、混み合う時節なので、見つけたら即決したほうがいいと判断した。宿探しはもっと難渋すると予想していたので、ホッとする。
荷をほどき、一休みしたのち、さっそくメディナ探索に出かけることにした。
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