塔の頂からは、メディナの全容を見渡すことができた。
さすがはチュニジア第三の都市。旧市街の広がりは予想以上だった。
他のチュニジアの都市と同様に、スースも過去さまざまな民族・国家によって支配されてきた。フェニキアに始まり、ローマ、バンダル、ビザンチン、アラブ、オスマン、フランス、などなど。いま眼下に広がっているメディナは、9世紀初頭に成立したアグラブ朝の手で構築されたものだ。海戦を不得手としていたアラブ軍は、この港町に堅牢な要塞を築いた。これが今立っているリバトである。
午後の限られた時間でこの広い旧市街をくまなく探訪するのはとうてい無理だろうけれど、とにかくできるだけ歩き回ってみることにした。 |