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往来が激しく、バカンス気分のツーリストが目立つメインストリートを外れ、路地裏に入り込んでみた。数メートルも進むと、雰囲気は一変した。人通りがぱったりと絶え、不気味なほどの静寂が漂い始めた。メインストリートの喧噪と路地の静寂。この落差の大きさこそメディナの特徴であり、大きな魅力でもある。動から静へと一瞬で切り替わる。ゾクゾクする体験だ。
角をいくつか曲がりながら、奥へ進んだ。商業空間の裏側には、ごちゃごちゃした生活空間がどこまでも広がっている。そんな空間に迷い込んでみるのはいつでも楽しい。
ある路地では、子供たちがサッカーに興じ、椅子に腰掛けた老人が遠くからその様子を目を細めて眺めていた。そこへ、ひとりの少年が通りがかった。フランスパンを肩に乗せている。僕がカメラを手にしているのを見て、「写真を撮ってくれないか」と笑顔で話しかけてきた。こうした小さな出会いがあるのが、メディナ歩きの最大の面白さかもしれない。 |
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