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            さて、村に入ろうか。歩き出そうとすると、すぐ後ろに、何やら気配を感じた。振り返ってみると、一匹の犬が静かに寄り添っている。この村の犬なのだろうか。表情は、いたって柔和だ。好奇心は感じ取れるものの、危険なにおいはまったくない。 
             
            村の入口、城壁の門へと続く坂道を上り始めると、犬も静かに後を追ってくる。異邦人がめずらしいのか、こんなところへ、遠路はるばるようこそと出迎えてくれているのか、はたまた、この平和で静かな村に入る資格があるかどうかを何気なくチェックしているのか。 
             
            しばらくすると、今度はぼくを追い越して、まるで先導するように門へとトコトコ進んでいく。どうやら、入村資格を満たしていると判定してくれたようだ。 
             
            人なつっこい犬の思わぬ歓迎と案内をうけ、思い焦がれていた村への門をくぐる。 
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            Monsaraz: 3/18           | 
           
        
       
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