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約束どおりカスバを二か所見学し、ワルザザートに戻った。時刻は午後6時。外はまだ十分明るい。疲れていたが、明朝のバスのチケットを買いに再び宿を出た。もう一日カスバ見学に費やし、ここにもう一泊してもよかったのだが、僕は先を急ぐことにした。砂漠で何泊することになるのかまったく予想がつかなかったし、なにより、迷宮都市フェスにできるだけ長く滞在したかったからだ。
マラケシュもそうだが、この町にもオレンジ色の建物が多かった。日が傾くにつれ、そのオレンジ色がさらに深く濃くなっていった。これといって特色のない小さな街であったが、そのオレンジ色の鮮やかさは、ひときわ印象に残るものだった。
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