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アラームの音で、ベッドから起きた。
窓のない1階の部屋は薄暗かった。
朝の陽光を求めて屋上に出ると、強烈な輝き。
目がくらむと同時に、爽やかで乾いた空気が全身を包んだ。
光に目が慣れたので、周囲を見渡してみる。
あいかわらず町は青で満ちていた。
青い空。青いドア。青い壁、青い煙突・・・。
青には癒しの効果がある。この町で何日も羽を伸ばしてしまう旅行者が多いという話にも、なるほどとうなずいてしまう。
朝食を取りながら、今日の予定を考えた。
ここでゆっくり過ごそうか、それとも、さらに地中海側のティトゥアンに足を延ばしてみようか・・・。
迷った末、ティトゥアンに行くことに決めた。旧市街が世界遺産に登録されているというし、手付かずのメディナが残っているという話にも興味を引かれたからだ。
ティトゥアンは、シャウエンとタンジェの中間に位置している。明日はそのタンジェの港からフェリーに乗ってスペインへと渡るつもりでいるので、もし今日ティトゥアンに行くのであれば、そのままティトゥアンに宿を取った方が移動上は便利だ。 |