広場には、太陽の光が燦々と降り注いでいた。が、思ったほど暑さは感じなかった。広場を吹き抜ける爽やかな風のせいだった。地中海からやってきたのだろうか。白い壁と並んで、この心地よい風も、明日訪れるアンダルシアを感じさせた。
一休みを終えてカフェを出ると、広場の端にある古びた門を目指した。このルアフ門をくぐって、もう一度メディナを彷徨ってみることにした。モロッコの旅も今日で最後。心ゆくまで迷子体験を楽しんでおきたかった。
明日はいよいよヨーロッパに渡る。
かつてイスラム教徒が「アル・アンダルス」と呼んだスペイン南部の地 ――アンダルシアへ。
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