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   6.  ローマ遺跡  ―  ボリュビリス
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フェス滞在3日目の今日は、世界遺産にも登録されているローマ遺跡、ボリュビリスを訪れることにした。今日は金曜日、メディナのお店はあらかた閉まってしまう。フェスにいても面白くないだろう。遺跡日和といえる。近くにある聖地ムーレイイドリースにも立ち寄れるし、余裕があればさらに古都メクネスも見て回ることができるかもしれない。

そんな魂胆でグランタクシーに乗り込む。順調なドライブ。1時間ほどで古都メクネスのターミナルに到着した。メクネスは後回しにすることにして、チャーターしたグランタクシーで一気にボリュビリスを目指した。

車窓には、たおやかな丘陵がどこまでも続いていた。荒涼とした砂漠に慣れたこの目には、ひときわ新鮮に、やさしく、穏やかに映る。いかにもローマ都市がポツンと存在していそうな土地だ。去年訪れたヨルダンのローマ都市、ジェラシュを取り囲んでいた風景とも、どこか似通っていた。

しばらく走ると、小山の中腹に、白い家々がへばりつくように密集しているのが見えた。あれがムーレイイドリースだ、とドライバー。その山のふもとを通りすぎ、数キロほど走ったところでタクシーは停車した。ボリュビリス遺跡の入口に到着したようだ。
入場料を払って炎天下の遺跡に足を踏み入れた。

遺跡の崩壊は激しく、往時を想起させるような建物はほとんど残っていない。18世紀、メクネスのムーレイイスマイールの王宮建設のために、大理石が大量に持ち去られたからだ。

唯一壮観と言えるのが、遺跡の中心部に建てられたこのバシリカだ。