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   6.  ローマ遺跡  ―  ボリュビリス
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バシリカからさらに奥に進むと、左手に凱旋門が堂々と立っていた。

3世紀にカラカラ帝に捧げられて建てられたものだという。当時はさぞかし壮麗だったのだろうが、今ではその面影は微塵も残っていない。穏やかな平原を背景に、朽ち果てた姿で静かに佇んでいる。




凱旋門の内側には、ローマ都市おなじみの
大通りがまっすぐに延びている。

陽射しは強く、歩いているとクラクラしてくる。
帽子を忘れてきたことをちょっぴり後悔した。


ボリュビリスの歴史は、紀元前3世紀にカルタゴ商人が定住したことから始まった。その後、紀元40年頃にローマ帝国の植民都市となった。前述のジェラシュがローマに併合されたのが紀元前64年だから、それからほぼ1世紀後の出来事となる。それからの200年がボリュビリスの最盛期であったが、周辺のベルベル諸部族が勢力を次第に伸張させたため、2世紀末、ついにローマ人はこの都市を放棄することになった。

ただ、他のローマ植民都市と異なり、ボリュビリスにはその後もたくさんの人が住み続けた。ラテン語もそのまま話され続けたという。しかし7世紀、アラブ人の北アフリカ侵略によってこうしたラテン文化も終焉の時を迎えた。そして8世紀末、預言者ムハンマドの子孫である一人の男がこの地にたどり着く。


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