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再び広場に下りて、レストランで夕食。普通のタジンは食べ飽きたので、サーディンのタジンを頼んでみたが、これがなかなかおいしい。パンとの相性もいい。
広場の向かいには、グランモスクと呼ばれる、文字通り大きいモスクがそびえていた。
六角形のミナレットが美しい。
色が青なら、なおいいのだが。
いや、赤をまとっているからこそ、真っ青な空にその姿が鮮やかに浮き出て見えるのだろう。重要なミナレットだからこそ、遠くから識別できるように赤く塗られているのかもしれない。
夕陽を浴びて、赤いミナレットは青空の中でさらにその赤みを深めていく。
昼下がり、どこへ続いているのかわからない青い壁の路地をあてどなく歩いていたときに、ふと目の前に現れた女性がまとっていた鮮やかなオレンジが、このミナレットの赤い姿と重なって見えた。
広場を行き交う人がいつの間にか増えていた。
日が沈めば、この青と白の町はまた違う顔を見せてくれるのかもしれない。 |