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結局、副操縦士を1人欠いたまま飛行機はテイクオフ。約半日かかって経由地のアムステルダムに無事到着した。
ディレイになったとはいえ、カサブランカ便の出発までまだ時間があった。それまで空港で暇をつぶすのももったいない。アムステルダムを散策してみることにした。
入国の前に、トイレに入る。「便器の位置が高けー」。同じ便に乗っていたのか、学生らしき日本人たちが驚いた口調でそうしゃべっている。揃いの服を着ているところからすると、修学旅行かなにかだろう。
入港審査のカウンターの前に並ぶ。さっきの高校生らしき集団が先だ。よく見ると、引率者らしき男性の顔には見覚えがあった。そうだ、間違いない。サッカーのJリーグで指導者として活躍しているO氏だ。ということは、この集団、ただの高校生じゃなくて、U16〜18クラスの代表だったのか。なんだか普通の幼い高校生に見えるけど……。彼らに続いて、入国審査を受ける。「今の彼らと同じグループかい」と審査官。違う違う。服を見ればわかるじゃん。
無事入国すると、広い構内を横切り、きっぶを買って列車に乗り込む。大都市近郊だというのに、車窓を横切る風景はきわめてのどかだ。およそ20分で、アムステルダム中央駅に到着。駅前から真っ直ぐに延びる道をブラブラ歩くと、王宮前のダム広場に出た。
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