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ケロアンでの日々は、マハディアやスースへの日帰り旅行を挟みつつあっという間に過ぎていった。明日はシチリアに渡るので、今日ここを発ってチュニスに戻らなければならない。ショハダ門を見下ろせるお気に入りの部屋ともお別れ。チェックアウトをすませると、なじみとなったルアージュステーションに向かった。
チュニス行きのルアージュはたやすく見つかり、待つことなく発車した。2時間ほどの快適なドライブで首都チュニスに到着。すべてが順調だ。チュニスで宿を確保できたら、日帰りでドゥッガ遺跡を訪れるつもりだった。ドゥッガはチュニスから100キロあまり離れており、交通の便も悪いので、迅速に行動する必要がある。だがこの調子なら心配ないだろう。
チュニジア最後の夜なので、少しだけ奮発して、1泊33ディナールのホテルに泊まることにした。日本円にして3000円弱だ。部屋は快適。ベッドの寝心地が抜群なのもうれしい。シチリアに渡る明日の夜は慣れない船中泊となるので、今夜はたっぷり寝ておきたかったからだ。
休む間もなく宿を出た。一目散にドゥッガを目指すべきだったが、なぜか足はチュニスのメディナへと向かっていた。
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