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ジュピター神殿の上に立った。
いまはイスラムに属する地に存在する遺跡の魅力ってなんだろう。それは、遺跡自体のスケールの大きさや保存状態のよさというよりも、遺跡を包み込んでいる自然の荒々しさと雄大さなのだと思う。あらがいようのないほど力強い大地。圧倒的に澄み渡る空、透明な空気。強烈な太陽。自然が自然のまま存在し、その姿は歳月の移り変わりを超越しているかのようにこの目に映る。そんな自然の中に身を浸すことによって湧き上がってくる放心感がたまらなく心地よい。モンスーン地帯の遺跡、たとえばアンコールワットなどとはまた少し異なる、乾燥地帯の遺跡ならではの魅力なのだと思う。 |
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