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広場の正面には、サン・ジョルジョ大聖堂が巨人のごとく立っている。だが、あいにく改装中で、立派な全身が緑のネットで覆われ、威厳のない哀れな姿に成り果てている。
しかし、ラグーザイブラで訪れようと思っていたのは、この教会ではない。目指す教会は、ここから歩いてすぐのところにあるはずだ。
広場からまっすぐ延びる道を数百メートル下り、右に折れたところに、その教会はひっそりとたたずんでいた。その名を、サン・ジュゼッペ教会という。映画『ニュー・シネマ・パラダイス』で一躍有名になったジュゼッペ・トルナトーレ監督が、同じくシチリアを舞台にした映画『明日を夢見て』に登場するのが、この教会だ。ロケ地巡りはチェファルーで終わったわけではなく、まだ続いていたのだ。そして、ここでは見事にロケ地にたどり着くことができた。
とはいえ、この映画、実はまだ観る機会に恵まれていない。観てから行くか、行ってから観るか。どちらの楽しみの方が大きいかはわからない。でも、帰国後いつかこの映画を観たとき、イブラを歩いたときの思いがどのように蘇ってくるのか、楽しみではある。
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