彼の地への旅＞シチリア 07. ラグーザ

道に迷うのが恐いので、日が完全に暮れないうちに新市街に戻ることにした。
さっき下った坂と石段を上り、新市街のはずれに戻った。振り返って、もう一度イブラの町を見下ろす。

迷宮のような町を歩くのは確かに面白かったが、このイブラの最大の魅力は、なんといっても、ここからの眺めにあった。この眺望がすべてであり、これを自分の目で見ただけで十分に訪れた価値があった。

一枚の写真に導かれ……ありがちな動機かもしれないけれど、そんなふうにして始まり、そして終わる旅も、ときにはいいものだ。

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