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マンスール門の脇を抜けると、メクネスの王都。
まずは、ムーレイイスマイール廟に入った。
モロッコの現王朝であるアラウィー朝の二代目、ムーレイイスマイールの霊廟である。
この廟には異教徒も入ることができる。理由はよく分からない。この王、モロッコ人にはあまり尊敬されていないのだろうか。あるいは、現王朝の礎を築いた軍事的英雄なのだから、特別に異教徒にも拝ませてやろうという計らいなのか。
廟の内部は豪華ではあったが、最も印象に残ったのは、パティオを取り囲んでいる黄色い壁と、床の模様だった。
突然、パティオが暗くなった。続いて、強い風。見上げれば、どす黒い雲が上空を覆っている。ひと降りきそうな気配だ。 |