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しばらく路地歩きを楽しむと、再び薄暗いスークへ。フナ広場に戻ったときには、ちょうど日が暮れようとしていた。
数時間前まで閑散としてた広場が、活況を呈し始めていた。オレンジジューススタンドに囲まれた広場に、屋台のテーブルが何列にもズラリと配置されている。 |

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お腹が空ってきた。何か食べてみようか。
面白いのは、各屋台の横に番号札が掲げられていることだった。その番号を覚えてさえいれば、翌日もまた迷うことなくその屋台にたどり着けるのだ。
どの屋台にしようか。迷いながらしばらく屋台の列を行ったり来たりしていたが、元気な店員のかけ声につられて、41番の屋台に腰を下ろした。
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初めて食べたタジン。
オリーブの漬け物と丸パンと
いっしょに。
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食事が済んだ頃には、すでに真っ暗。周囲はますます賑わいを増してきている。本番はこれからなのだろう。
屋台の列の周囲では、あちこちに人だかりができている。その中からは聴き慣れないリズムが響いてくる。ヘンナ描き、蛇遣い、有名な水売りもいる。そうした芸人にいちいち近寄ることはせずとも、こうして光と闇と香りに包まれ、ざわめきとリズムに身を任せているだけで十分だ。
フナ広場の昼と夜の顔。スークと路地裏。その喧噪と静寂のコントラストこそマラケシュの最大の魅力なのかもしれない。 |
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