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気を取り直して、街の散策を楽しむことにしよう。

駅を出て10分ほど歩くと、チェファルーの中心部らしい地区に到達した。建物が並ぶ通りを歩いている限り、ここが海と崖に挟まれた地だというゾクゾク感はさほど得られない。街というものは、少し離れた場所からのぞむ姿がいちばん見栄えがするものなのかもしれない。そんなことを考えながらしばらく歩くと、右手の視界がとつぜん開け、広場が出現した。その奥に、先ほど車窓からかいま見たカテドラルがそびえ立っていた。








チェファルーの大聖堂は、モンレアーレの大聖堂と並んで、シチリア・ノルマン様式の典型と言われている。質実剛健な姿のなかにも、マグレブ独特の角型ミナレットを連想させる二本の鐘楼や、ファザードに施されているアーチなど、イスラム的な要素が散りばめられている。外見はモンレアーレの大聖堂とそっくりだが、チェファルー大聖堂を特徴づけているのは、その背景だ。モンレアーレの大聖堂には平和的な雰囲気が漂っているのに対し、こちらにはすぐうしろに荒々しい崖がそそり立っているので、全体的に緊迫感のような雰囲気が漂っていて、圧倒されるような感覚を覚える。
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