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細い道をそのまま何分か進むと、グランドモスクに突き当たった。
中に入れると聞いていたが、あいにく日曜は閉まっているとのこと。
さて、どうしたものか…。
「近くの店の屋上からこのモスクのミナレットが見えるよ。付いてきな」
さっそく一人の男に声をかけられた。グランドモスクの近くには、鮮やかなタイル貼りのテラスを持つ店があって、そこからの眺めがチュニス観光のハイライトになっているのだった。けれども、こうして声をかけてきた人間と一緒に店に行けば、あとで高いガイド料を要求されるのは目に見えている。眺めを楽しみたいのはやまやまだが、できれば自分一人で行きたい。彼の言葉を無視して、その場を急いで離れた。
モスクの周囲はスーク（市場）となっていたが、ここも閑散としていたため、その外側に延びる路地を適当に歩いてみることにした。写真を撮りながら行ったり来たりしていると、通りがかりの若者がいきなり声をかけてきた。ベルベル人によるフェスティバルが催されているから一緒に来ないか、という。なんだか怪しいなあ。そう思いつつも、別段急いでいるわけではないので、一緒に行ってみることにした。
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