翌朝、目を覚まして窓を開けると、なんと曇り空。
まさに青天のへきれきだった。夏のチュニジアは毎日バカっ晴れだと思いこんでいたのだ。昨日が快晴だっただけに、なおさらショックが大きかった。今日は午後からシディ・ブ・サイドに行く予定だったからだ。こんな天気とわかっていれば、昨日無理してでも行ったのに。
コンチネンタル・ブレックファーストを食べ終えると、メディナに向かった。門をくぐると、昨日と同じ狭い路地に入った。今日はほとんどの店が営業している。行き交う人も多く、ようやくメディナらしい活気を感じることができた。
グランドモスクに突き当たると、迂回するように時計方向に路地を進んだ。昨日の土産物屋にたどり着くと、屋上に上った。評判通りの素晴らしい眺望だった。カラフルなタイルとグランドモスクが一枚の画として見事に成立している。残念なのは、依然として雲が多く、薄日しか差していないことだった。タイルもミナレットも本来の映えを見せていない。こんなことなら、快晴だった昨日、彼にだまされたフリをしてここに上っておけば良かった。ちょうど夕日が射し込んで、このタイルもさぞがし美しく輝いていただろうに…。短期の旅では、条件のいいときに見ておくべきものは見ておくべきなのだ。 |