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道を引き返し、入場口まで戻る。喉が渇いたので、バールでレモンのグラニータを食べる。イタリア風かき氷。飲み込むと、冷たすぎて、喉がツーンと痛くなる。うー、この感覚がたまらない。食べ終えると、車道の東側に散在する遺跡群を目指す。車道を渡り、よく整備されたゆるやかな坂道を上っていく。数百メートル先に、ひとつの立派な神殿が見えてきた。おー、今度はちゃんと立ってるぞ。あれがコンコルディア神殿か。
坂道を上るにつれ、コンコルディア神殿の威容がいっそう大きく迫ってくる。そしてついに目の前に。客観的に見ればそれほど大きい神殿ではないのだけど、「ちゃんと立っている」神殿を見たのはセリヌンテのE神殿以来ということもあって、仰ぎ見たときの感動は大きかった。コンコルディア神殿は紀元前440年頃に建立されたのだが、のちに教会に転用されたため、地震などによる破損が最小限に抑えられたのだという。
コンコルディア神殿は断崖に面して立っている。前方に延びるその断面を目で追っていくと、遙か遠くに、ヘラ神殿がマッチ箱のようにたたずんでいる。この二つの神殿の対比も劇的だ。
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