疲れているにもかかわらず、朝6時に目が覚めた。さっそく部屋を出て、廊下を突き当たったところにあるバルコニーの扉を開けた。
ちょうど太陽が顔を出そうとするところだった。
期待していた霧は思っていたより深くない。少々がっかりした。が、霧の町として有名なエリチェで朝日と夕日を眺められるなんて、それはそれで幸運なことなのかもしれない。
霧がもっと深ければ、日が高くなるまでこの町にとどまって幻想的な雰囲気を存分に楽しもうと思っていた。が、この朝日を見て、計画を前倒しにすることに決めた。今日はここを下ってトラーパニまで戻り、それから列車でセジェスタの遺跡に行ってみよう。
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